青梅市の家庭ごみを集めているのは、青梅新興株式会社です。昭和44年の設立から半世紀以上、市の委託を受けて家庭ごみの収集運搬を担ってきました。毎朝8時に出社し、二人一組でパッカー車に乗り、担当エリアの集積所を順にまわる。派手さはありませんが、一日でも止まれば市民の暮らしがすぐに滞る仕事です。
意外に思われるのが、勤務時間の安定です。ルートが決まっているため作業量の見通しが立ちやすく、残業はほとんど発生しません。17時には退社でき、春から夏は明るいうちに帰宅できます。完全週休二日制で、年間休日は110日。年末年始と夏季の休暇もあり、家庭の予定を立てやすい働き方です。
社員は90名、平均勤続は18年。21年以上働いている人が47%を占め、有給消化率は80%前後で推移しています。応募に必要なのは普通免許だけで、準中型免許は入社後に会社の補助制度で取得できます。実際にどんな一日を過ごし、未経験からでも始められる仕事なのか。現場に話を聞きました。
青梅新興の収集作業は、ドライバーと収集員の二人一組が基本です。担当エリアの集積所を、決められたルートに沿って一つずつまわっていきます。朝の点呼で当日のコースと注意点を共有し、二人の呼吸を合わせてから出発するのが毎日の流れです。運転を担当するか、積み込みを担当するかは班ごとに決められており、途中で交代しながら体への負担を分け合うこともあります。
パッカー車が停まるのは一カ所あたり数十秒。袋の状態を確認し、積み込み、車の後方を確認して次の集積所へ向かいます。一日にまわる集積所は班によっては数百カ所にのぼり、住宅地の細い道や坂道、通学時間帯の通行にも気を配りながら進めていきます。急ぐ仕事ではなく、決められた手順を確実に積み重ねる仕事です。
ルートは長年の運行のなかで磨かれてきたものです。どの道が朝に混みやすいか、どの集積所が量が多いか、雨の日はどこに注意すべきか——そうした情報は班のメンバー全員が共有しています。だからこそ、入社したばかりの人でも先輩と一緒にまわるうちに、自然と一日の組み立て方が身についていきます。
入社した人のほとんどが、この仕事は未経験からのスタートです。試用期間は3ヶ月。1日目は先輩の作業に同行してルートと集積所を覚え、2日目からは少しずつ実際の収集に加わっていきます。最初のうちは覚えることが多いように見えますが、同じエリアを繰り返しまわるため、二週間ほどで一日の流れがつかめるようになる人が多いそうです。
運転に必要な準中型免許(5t限定解除)は、入社後に会社の補助制度で取得できます。費用は全額会社負担のため、普通免許だけで応募して構いません。まずは収集員として現場に慣れ、タイミングを見て免許を取得し、ドライバーへ移っていく——そうしたステップを踏んだ社員が実際に何人もいます。
教える側も、かつては未経験から始めた人たちです。分別のルールや積み込みのコツ、住民の方への声のかけ方まで、実際の現場で一つずつ確認しながら覚えていきます。わからないことをその場で聞ける距離感があるのが、この仕事の入りやすさにつながっています。
前職は飲食店で、ごみ収集はまったくの未経験でした。普通免許だけで応募できると知って面接に来て、書類選考もなくその日にいろいろ話を聞けたのが決め手でした。最初の一週間は先輩に同行してルートを覚え、二週目から少しずつ積み込みを任されるようになりました。
8時に出社して朝礼と点呼、17時には退社しています。残業がほとんどないので、夏場は明るいうちに家に着きます。前の職場は終わる時間が読めなかったので、生活のリズムが安定したのが一番大きい変化です。
暑い日や雨の日に「ご苦労様」と声をかけていただくと、それだけで疲れが軽くなります。自分がまわったあとの集積所がきれいになっているのを見るのも、単純ですが気持ちのいい瞬間です。
はい。入社時は普通免許だけでした。会社の補助制度で準中型(5t限定解除)を取らせてもらい、費用は全額会社負担でした。収集員として現場に慣れてから運転に移ったので、無理なく切り替えられました。
同じ顔ぶれで長く働く職場なので、無理をさせない空気があります。有給も取りやすく、休日は釣りに出かけています。班をまたいだ付き合いも多くて、休憩室ではだいたい趣味の話をしていますね。
体力勝負というより、決まった手順を毎日きちんと続けられる人が向いています。分からないことは全部その場で聞いてもらって構いません。教える側もみんな未経験から始めた人間ですから。
「社内ではいつもどこかで大きな笑い声が聞こえる、そんな親しみが持てる仲間が集まっています。」
休日には釣りやツーリングに出かける社員も多く、趣味の話題で盛り上がることもしばしば。年齢や社歴に関係なく気さくに話せる雰囲気があり、昼休みの休憩室では前日の釣果や車の話が飛び交っています。班をまたいだ交流も多く、困っているときに声をかけ合える関係ができています。
社員は90名、平均勤続は18年。21年以上働いている人が47%を占め、定年まで続ける人も少なくありません。長く同じ顔ぶれで働く職場だからこそ、無理をさせない、無理をしないという感覚が全体に共有されています。有給の消化率が80%前後で保たれているのも、その積み重ねの結果です。
求める人物像を尋ねると、返ってきたのはシンプルな答えでした。「明るく、誠実な方」。資格や経験よりも、毎日きちんと現場に向き合えること、二人一組の相手と気持ちよく仕事を進められることを大切にしています。書類選考はなく、まず一度会って話すところから始まります。
体力に自信がないと難しいのではと聞かれることもありますが、必要なのは瞬間的な力よりも、決まった手順を毎日続けられる落ち着きです。年齢は30代から50代が中心で、前職も運送、建設、飲食、製造とさまざま。未経験・学歴不問で、UIJターンで青梅に移ってきた人も働いています。
「ごみ収集は、市民の皆さんの暮らしに毎日直接関わる仕事です。派手さはありませんが、誰かが止めれば街は一日で変わってしまう。誠実に続けてくれる方と、一緒に働きたいと思っています。」